TEL/FAX 072-967-1178
平成23年年分以降から、その年において公的年金等に係る雑所得がある人で、
その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下であって、かつ、
その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、
確定申告をする必要がなくなりました。
あまり周知されていなかったため、相談会にわざわざお越し頂いた方もおられ申し訳なく思いました。
来年の申告前には年金機構から送られてくる『公的年金等の源泉徴収票』の収入金額の欄をチェックして下さいね。
ただ、申告が不要になる方でも、源泉徴収税額の欄に金額が記載されている場合は、
確定申告をする事によってその源泉徴収税額が還付になる可能性もありますのでその場合はご相談下さい。
また、所得税の申告は不要であっても住民税の申告が必要となる場合もありますので、
お住まいの市町村に一度お問い合わせ下さい。
公的年金とは、国民年金や厚生年金・共済年金など公的な制度からの支給される年金の事なので、
ご自身で民間の生命保険会社に個人年金契約を結んでいたものは該当しませんので、混同されないようご注意下さい。
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確定申告は所得税の申告なのですが、税金・年金・健康保険って、微妙に関係があるので、
税金の相談かと思ったら、それ以外の分野だったという事も多々あります。
相談者はご年配の方で、医療費控除についての質問でした。
年金所得で基礎控除内だったので、還付される税金はないと結論が出たのですが
とっても落胆されて、「今年もたくさんの医療費がかかるかもしれないの、困ったわ・・・」
とぽつりぽつりとお話をして下さいました。
なんとか楽になる方法はないかと、社会保険の知識をフル出動させて高額療養費の事をお話したところ、
早速、市に聞いてみますとの事でしたが、果たして無事申請ができたか気掛かりです。
皆さんの周りでも、医療費が高くで困っている方がいれば高額療養費の制度を教えてあげて下さい。
もし、よく分からない場合は協会けんぽ加入の方は協会の管轄支部へ、
市町村国保の方は市町村の国民健康保険課に電話して聞いて下さい。
また事前に限度額適用認定証を発行してもらうと、上限額までしか窓口に払わなくても良いので負担が軽くなります。
時効は2年なので、その時はバタバタして忘れていても、少し落ち着いたら請求をして下さいね。
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前回は、医療費控除の対象についてお話をしましたが、今日はその金額計算について簡単にお話します。
よく『医療費が10万円を超えたら・・・』というような話をテレビなどで耳にしますが、この10万円という金額、人によっては5万円になったり、0円になったりする場合もあるんです。
医療費控除の対象となる金額は次の式で計算した金額(最高で200万円)と規定されています。
(実際に支払った医療費の合計額 − 保険金などで補てんされる金額) − (※)の金額
(※)次のうちいずれか低い金額
●10万円
●その年の総所得金額等5%の金額
↑総所得金額等とは、純損失、雑損失、その他各種損失の繰越控除後の総所得金額 特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金 額、上場株式等に係る配当所得の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所 得金額及び退職所得金額の合計額をいいます。
すこし、ややこしい算式なので数字を入れてみましょう。(補てんされる金額はないものとします)
その年の事業所得の金額が180万円だった人の場合は、180万円×5%=9万円と
10万円とを比べて、低い方の金額=9万円を超えるとその超えた金額が医療費控除の金額になります。
もし、その人が前年に200万円の赤字の金額があって、それを今年に繰越控除をしている場合は
その人の総所得金額は0円となるので、0円×5%=0円と10万円を比べて低い方の金額、すなわち0円を超える=支払った医療費が医療費控除の対象となります。
(※この例の場合は、結局所得が生じていないので、医療費控除を受ける受けないなどという問題はそもそも関係ないのですが、分かりやすいように金額を例示しています)。
なので、10万円を超えなかったからといって一概に全員が医療費控除を受ける事ができない、
なんて事はありませんので、申告前に所得金額を出して検討して下さいね。
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今年は開業1年目という事で、積極的に確定申告相談会に従事してきました。
所得税だけでなく、他の制度(年金や健康保険など)についての色々な相談に対応しなければならないので、
とても勉強になった数週間でした。
2月中に多かった質問が、医療費控除の適用可否と住宅ローン控除初年度の必要書類でした。
今日は、来年に向けて知ってて欲しい医療費控除について少しお話します。
よく質問を受けたのが
◎補聴器を購入したのですが、対象ですか?
◎血圧が高いので血圧計を購入しましたが、対象ですか?
という様な何かを購入した時の適用についてです。
回答は、上記は対象となりません。
なぜかというと、医療費控除の対象となるのは
『治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価』と規定されているからです。
いくらお医者さんに、『血圧が高いのでご家庭でも測定して管理しましょうね』と言われても、
血圧計を購入する事は治療でも療養でもないので、対象とならないのです。
対して、市販の風邪薬をドラッグストアで買うのは『治療に必要な医薬品の購入』なので、医療費控除の対象になります。レシートは保管しておきましょう。
◎病院に行くのに、バスと電車を乗りました。交通費は対象ですか?
◎病院へ自家用車を運転して行きました。駐車場代とガソリン代は対象ですか?
回答は、バス代・電車代・タクシー代は対象となりますが、自家用車の駐車場代とガソリン代は対象となりません。
『なんで、マイカーで行ったら対象にならへんの?』という事をよく言われましたが、これは無理なんです。。。
次に、タクシーは領収書をもらえますが、電車やバスはもらえませんよね。
その場合は、『○月○日 ○○駅→△△駅 往復 200円×2』のように、一覧にまとめておけばOKです。
◎一緒に住んでいない親の医療費を支払いましたが、対象ですか?
◎離婚して元妻が引き取った子供が入院して医療費を払ったけど、対象ですか?
医療費控除の対象となる医療費は『自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費』
と定められているので、同居していなくても生計が同じであれば支払った医療費は対象となります。
ここで、”生計が同じって??”という疑問が出てきますが、ざっくり言うと”財布が同じ”という感じです。
なので仕送り等によって生活の面倒を見てあげている場合は生計一になりますので医療費控除も受ける事ができます。
離婚の場合は、生活費程度の養育費を支払っている場合であれば生計一とみる事ができます。
あと、よく勘違いされている事は、10万円以上(※次回に説明します)の医療費を支払った場合はその超えた金額がそのまま返ってくると思われている場合です。
医療費控除とは誰にでも税金を返す仕組みではなくて、
税金を納める必要のある人がその年に多額の医療費を支払ったのであれば、いくらか税金を安くしますよ、
という制度なので、税金を納める必要のない方(年中において源泉所得税を天引きされていない方)にとっては何の恩恵もありません。
なので、年金所得者で年中に源泉所得税を天引きされていない方にとっては、
いくら医療費をたくさん支払ってもそもそも納めている税金がないので、返ってくる税金もないという事になります。
できれば、医療費控除を受ける事なく健康に一年過ごしたいものです。
次回は医療費が10万円を超えなくても医療費控除を受ける事ができるばあいについて簡単に説明したいと思います。
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1月24日に平成25年度税制改正大綱が与党税制協議会で決定されました。
今回は、法人税法における交際費等の損金不算入措置の改正ついて書いていきたいと思います。
交際費等の損金不算入・・・聞き慣れない言葉ですが、簡単に説明します。
法人が取引先に対して接待したり贈り物を贈ったりすると、それは交際費として会計上は費用に計上します。
でも法人税を計算する上で、それら交際費を100%経費として認めてしまうと、
お金のある会社はどんどん交際費を使って、法人税を少なくする事が可能ですよね。
それでは会社の冗費(いわゆる無駄遣い)を助長し、会社の資本充実が図れないという事で、
法人税を計算する過程で、一定額を超えると経費として認めません、という措置が設けられています。
この措置を交際費等の損金不算入措置といいます。
今回の改正で、その一定額が600万円から800万円に引き上げられました。
それとともに、今まで600万円以下の金額に対しても10%は経費に認めないという措置があったのですが、
その10%も廃止されました。
つまり、今まで700万円の交際費を使っても経費になるのは540万円だったのが
改正後は700万円がそのまま経費として計上され法人税を計算する事になります。
経費として計上するけど、税金の計算上は経費に認めない!?という
ちょっとピンとこないお話でした。。。
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1月24日に平成25年度税制改正大綱が与党税制協議会で決定されました。
今回は、相続税法の改正について書いていきたいと思います。
まず、基礎控除については、現行の『5000万円+1000万円×法定相続人の数』を『3000万円+600万円×法定相続人の数』に引き下げられました。
次に、相続税の最高税率を55%に引き上げる等、税率構造の見直しがされました。
この2点により相続税が増税となりますがその緩和策として、小規模宅地等の特例の限度面積要件が拡大されました。
小規模宅地等の特例とはざっくりいうと、
”評価額が1億円の土地を相続税の計算上は2千万円とみなしましょう”
という特例です。
ただしそれには土地の面積の要件があって、現行は240uまでの部分についてしか評価減ができませんでした。
それが、今回の改正によって330uまでの部分に拡大されました。
330uというと・・・100坪ほどの大きな自宅を持っているお金持ちの方は改正の恩恵が受けられますが、
一般的な広さの自宅であれば、従来の面積要件でも十分に特例の適用を受ける事ができるのです。
一部によると、相続税を払う対象が増えたため、地価の高い都市部の議員などから増税緩和策を求める声が挙がってこの改正案につながった・・・と言われているようです。
誰のための改正なのか・・・
なんだかしっくりこないです。
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1月24日に平成25年度税制改正大綱が与党税制協議会で決定されました。
21日のTOPICSで書いた『教育資金の一括贈与に係る贈与税に非課税措置』について大綱を読んでみました。
まず、受贈者(お金をもらう人)は30歳未満の人に限定されています。
社会人になってからでも、スキルアップや転職の為に大学や大学院で学び続ける人が増えているようですが、30歳未満であればこの制度を使う事ができます。
次に贈与者(お金をあげる人)は直系尊属となっています。なので親戚のおじさんにもらっても非課税になりません。
また、例えば子供が3人いる人を養子に迎え教育資金として金銭を贈与すれば、4500万円(1500万円×3人)を限度に一気に相続財産を圧縮する事ができます。
相続税では、相続税の節税目的で養子を迎える事を抑止する為に、法定相続人として数える養子の数に限度を設けていますが今回の制度では養子については規定されていないので、理論上は孫が増えれば増えるほど非課税金額も大きくなる事になります。
次に、1500万円の使い道については、
●学校等に支払われる入学金その他の金銭
●学校等以外の者に支払われる金銭のうち一定のもの
と規定されていますが、学校等以外の者に支払われる金銭については500万円が限度になっています。
なので、仮に1000万円を贈与して学校等に400万円を使って、学校等以外に600万円を使っても、非課税となるのは学校等以外は500万円が限度なので、100万円には贈与税が課税される事になります。
また、贈与したお金を教育資金として使いきれずに余った場合にも贈与税が課税されます。
厳密には、もらった人が30歳に達した日にまだ使っていないお金があれば贈与税が課税されます。
なので、相続対策の為にむやみに贈与しても、使っていないお金があればもらった孫に贈与税がかかってしまいます。
相続税と贈与税の税率構造はちょっと違うので一概には言えないですが、贈与税で課税される方が税金が高くなるという場合も多いので使い道を慎重に考えて贈与する事が大切です。
あとは、この制度を受ける為の申告書を金融機関を経由して税務署に提出する必要があります。
また、実際に教育資金に使ったと証明する書類を金融機関に提出する必要があるとありますので、塾代の領収書や大学への振込用紙などが必要という事です。
これで、もらったお金で車を買ったなんていう話は無理になります。
最後に『その他所要の措置を講ずる』と一文がありました。
所要の措置って・・・って感じですが、大綱の他の内容も随時書いていきたいと思います。
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税制改正案の一つで新聞やテレビでよく報道されているので、知っている方も多いと思いますので私の目線で。
今回の改正とは関係なく、そもそも相続税法では
『扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち、通常必要と認められるものは贈与税の課税価格に算入しない』
という規定があります。
この場合に非課税になるのは、必要な都度直接生活費や教育費に充てるために贈与したものに限られています。
なので、一度にまとめてもらったり、また、もらったお金で車を買っちゃったりすると本当は税金がかかるのです。
でも、入学祝いでもらったお金で車を買ったら税金がかかった・・・なんて話聞いた事がありますか?
実際は把握しきれないんです。きっと。(あくまでも私の個人的意見なので、きっと・・・)
なので、今回の改正案ではどういった適用要件がつくのかとても興味があります。
『本当に教育資金に使うんです!』と、どうやって証明するのか。
税制改正大綱が出てからじっくりと読んでみたいです。
この改正案を受けて、”相続税節税のために孫に教育資金を贈与しよう”なんていう雑誌の見出しを目にしました。
たしかに1500万円を孫に贈与できる人はきっと富裕層なのだから、
相続対策に活用できるなぁと思いながら、ふと裏側を考えてしまいました。
もしかすると、今回の改正で富裕層をあらかじめマークしておいて
将来の相続税の課税漏れを防ぐ事も可能です。
いい形で活用できる制度になればいいなと思います。
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前回は持ち家を利用した住み替えについて書きましたが、
今回は持ち家を離れずに住み替えのような効果がある減築について書いてみます。
わざわざお金を払ってまで、家を小さくするなんて…と私は思ってしまったけど、
よく調べてみると色々なメリットや、支援制度がありました。
子供が独立して使わなくなった部屋を取り払って中庭や吹き抜けにすると風の通りや採光が良くなります。
また、部屋数が少なくなるので光熱費も下がりますね。
例えば、二階建てから平屋にすると階段を上り下りして掃除機をかける事もなくなります。
それに、建物の総重量が減るので耐震性もアップするとの事なんです。
減築と同時に、耐震改修やバリアフリー改修・省エネ改修などをすれば
所得税や固定資産税が軽減されるという制度もあります。
年金収入のみでリフォーム費用なんて払えないよ、という場合には住宅金融支援機構の返済特例制度があります。
融資の上限一千万円までであれば、自宅を担保にすると月々の返済が利息分のみで済むという制度です。
私の実家も築○十年・・・家族構成も変わって両親にとっては住みにくくなっているかもしれません。
いざという時に制度を有効に使うためには、こういった事を知っているのも大事だなと思いました。
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一生住むつもりで購入した家も、年をとったり家族構成が変わったりすると住みづらくなるかもしれません。
最近は持ち家を活用した住み替えや、”増築”ならぬ”減築”など、ライフスタイルに合った住まいを手に入れる選択肢が増えています。
例えば、我が家の例でお話をすると、
子供3人、2階建て、近所に小・中学校、大きな公園もあって子育てには快適☆
けれども、駅からは徒歩15分…
子育てはしやすいけれど、子供達が独立したら便利な駅前のマンションがいいなぁ
とか、
部屋数はいらないから、平屋で広々と使いたいなぁ
とか、そういう想いを実現できる方法がたくさんあるのです。
その一つとして、「移住・住み支援機構」のマイホーム借り上げ制度があります。
仕組みは、機構がマイホームを借り上げてくれて第三者に転貸し、その転貸収入から家賃を支払ってくれるというものです。
実際にホームページを見て驚いたのが、なんと家賃保証があるのです。
たとえ空室でも家賃が支払われるので、とても安心ですよね。
この制度は、シニア層が持つ住宅を周辺の家賃相場よりもやや安く、子育て世代に貸す目的で2006年にできました。
借り手がつかなくても家賃の保障があるので、年金収入を補う事もできます。
また、借り上げは終身型と期間指定型があるので、家に戻る事も可能です。
せっかく購入したマイホーム、住みにくくなってきたけど売るのはちょっと・・・
と思ってる方がいれば是非教えてあげたいです。
次回は、住み替えパート2〜減築〜について書いてみたいと思います。
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