国外居住親族にかかる扶養控除等の書類の添付義務
所得税法では、扶養親族を有する場合には所得税の計算上扶養控除という所得控除を受ける事ができ、
その結果、扶養親族を有している場合は有していない場合に比べて所得税が少なくなります。
今まではその扶養親族のうちに国外居住の者がいても、特に添付書類等でその親族の存在や、
扶養している旨の証明をしなくても扶養控除を受ける事ができていました。
なので、本当に扶養しているかどうかの確認は本人の申告を信用するしかなく、
私も過去に、こんなにたくさんの家族が国外にいるの?!とびっくりした経験もあります。
実際に親族を21人も扶養に含めて所得税を不当に減少させていた例もあるようで、
このようなケースが他にも多く見受けられるとの事で、ついに会計検査院から指摘が入り、
平成27年度の税制の改正につながったようです。
実務上はどうなるのかと言うと、
確定申告の際や年末調整の際に、次の書類(外国語で作成されている場合は、その翻訳文も)を
確定申告書や扶養控除等申告書に添付しなければいけません。
◎戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及びその国外居住親族の旅券の写し等で
その国外居住親族がその納税者の親族である事を証明するもの
◎納税者がその国外居住親族の生活費や教育費に充てるために支払をした事を明らかにする書類
(金融機関の送金依頼書等)
この改正は平成28年分以後の所得税から適用されますので、
該当する方は必要な書類を再度確認し、適法に扶養控除等を受けて頂きたいと思います。